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Windows10にアップグレードしてみた

前回まででWindows10へのアップグレードの目処が立った(と思っていた)ので、7月の3連休を使って我が家のデスクトップPC2台をWindows7からWindows10にアップグレードすることにした。

ダウンロードサイズが3GBちょっとあるため、事前にダウンロードしておいたWindows10のインストールメディア(ISOファイル)を使ってアップグレードした。ちなみにISOファイルの作成ツールは、下記URLから取得することができる。再インストールやクリーンインストール(一度アップグレードしたマシンは、認証済みとしてクリーンインストールができるようになる)をしたくなった時に必要になるので、今回のアップグレードは直接インストールファイルをダウンロードしながら行う場合でも、ISOファイルは作っておいた方がいい。ただし、7/30以降はメディア作成ツールやISOファイルの「素」となるインストールファイルがダウンロードできない可能性があるので、7/29までに実施しておく方が無難だ。

https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10

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↑「ツールを今すぐダウンロード」を押す。「今すぐアップグレード」を押してしまうとアップグレードが始まってしまうので注意。


とりあえず1台目。ファイルサーバ兼メールサーバとVMWare仮想マシン(Webアプリ用のWindows Serverが入っている)の母艦として運用しているPCからアップグレードを始める。

ISOイメージをマウント(Windows7は標準でISOのマウント機能がないので「Daemon Tools Lite」等を使う)すると、設定にもよるが動作を聞いてくるので「Setup.exeを実行」を選択する。もし自動実行の機能をオフにしている場合は、マウントしたドライブを開いて「Setup.exe」を実行すればいい。

あとは更新プログラムのダウンロードを同時に行うかと、「今のOS環境から何を引き継ぐか」を聞いてくるぐらいで、それらを指定するとインストールが始まる。
インストールのプロセスは、ファイルのコピー→機能とドライバのインストール→環境の移行という流れで、途中で2、3回ほど再起動を行いつつ進んでいく。マシンのスペックやネット環境などによって所要時間は変わってくるが、このPCではだいたい2時間ぐらいかかった。

アップグレードが終わってサインインすると、エラー情報をMSに送信するかとかの初期設定を若干あるが、それが終わるととりあえずアップグレード自体は完了となる。

アップグレードそのものはあっけないほど簡単なのだが、そこで終わらせてくれないのがWindowsというかMicrosoft。ここから諸々の問題を潰す作業が始まることになる。以下は私が遭遇したトラブルと対処について触れていく。

【トラブルその1 : VMWare Playerの仮想マシンが起動しない】
1台目のPCはファイルサーバ兼Webアプリケーション用のVMWare仮想マシンの母艦ということもあって、普通のデスクトップPCを24時間365日稼働させている(「人でなし!」と言うなかれ)。で、自動更新などの再起動に備えてOSへの自動ログオン後にVMWare仮想マシンがスタートアップで自動起動するように設定してある。まずはこれが話の前提。で、PCを再起動すると、OSの自動サインインは問題なく引き継がれていたのだが・・・次のVMWare仮想マシンの起動でいきなりエラーが出た。

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メッセージをよく読むと、「『VMWare Authorization Service』というサービスが動作していない」ということが分かるので、早速サービスの状態を確認してみる。

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・・・なるほど、たしかに該当のサービスは「実行中」になっていない。イベントログを確認すると、サービスの起動に失敗した旨のログが記録されていた。ググってみると、どうもこのトラブルは他でも出ているらしいことが分かった。

とりあえず、手動でサービスを起動して仮想マシンを起動すると、仮想マシンは問題なく起動した。ただ、これでは前述の前提の運用には使えない。ということで、このサービスがOS起動時にちゃんと起動するようにしなければならない。で、サービスの起動設定や「回復」の設定をいじってみたが状況は変わらず。一応、サービスの「スタートアップの種類」を「自動(遅延開始)」にすると、サービスそのものは最終的に自動起動するが、仮想マシンの起動には間に合っていないらしくエラーは回避できなかった。

そこで、タスクスケジューラにシステム起動時にサービスを起動するようなタスクを作成してみた。

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この状態でPCを再起動すると、今度はサインイン後に自動的に仮想マシンが正常に起動した。
まずは問題が一つ解決した・・・と思っていたのだが、VMWare絡みのトラブルはまだまだ続くのであった。

【トラブルその2 : VMWare Playerの仮想マシンがネットワークに接続できない】
文字通りなのだが、仮想マシンがネットワークに接続できなくなった。
原因は、VMWare Playerでは仮想マシンが「ブリッジ接続」でネットワークに接続する際には「VMWare Bridge Protocol」というネットワークアダプタにバインドされたサービス(「Protocol」なのに「サービス」とはこれいかに?と言う話は置いといて)を介して行う(「NAT接続」の場合はどうか分からないが)のだが、Windows10にアップグレードするとこれが引き継がれないためだ。まったく、何してくれてるんだろうね、Windows10は(怒)。

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なので、ローカルエリアネットワーク接続のプロパティを開き、「インストール」→「サービス」で製造元を「VMWare, Inc.」を選択すると「VMWare Bridge Protocol」があるので、これをインストールする。

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なお、「VMWare Bridge Protocol」をインストールし直す前に仮想マシンを起動すると、仮想マシンのネットワーク接続がオフになるので、仮想マシンを起動する前にこの手順を行った方が手間が少ない。もし、先に仮想マシンを起動してしまった場合は、手動で仮想マシンのネットワークを接続し直せば解決する。

【トラブルその3 : VMWare PlayerにインポートしたXPモードが使えない】
XPモードはWindows7固有の機能なので、Windows10にアップグレードすれば使えなくなる。これは当たり前。なので、事前準備としてVMWare PlayerにXPモードをインポートしておいたのだが、いざ起動してみると・・・・

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なんじゃこりゃああああああああああああああ!!!!(by 松田優作)」
なんと言うことだ。折角インポートしたXPモードが起動しないではないか。

理屈的には、XPモードは「Windows7で(移行期のために)限定的にWindowsXPを使えるようにした」ものなので、他のOSでの動作を許可しない、ということなのだろうが、何もそこまでしなくてもいいのに・・・。世の中には「自己責任」という言葉もあるではないか、と言いたいが、出来ないものはどうしようもない。

これに関しては、残念ながら回避方法はない。次善の策としては、「WindowsXPのメディアとライセンスを持っている」という条件は付くが、VMWare Playerに「本物の」Windows XPをインストールして環境を構築し直すしかない(私はそれで対処した)。これでも「ユニティ」も使えるので。

参考までに、WindowsXPの「Windows Update」は今でも機能していて、少なくともOSがSP3以上になっていればパッチをダウンロードすることができる。注意点としては、XPのIEはバージョンが6なのでデフォルトではTLSが有効になっていないため、そのままWindows Updateを実行してもエラーになる(SSLTLSの話は本題ではないのでここでは割愛する)。なので「インターネット オプション」の「詳細設定」で「TLS1.0」を有効にして「SSL1.0」「SSL2.0」「SSL3.0」を無効にしてやるとアップデートできるようになる。

【トラブルその4 : Wake on LAN(WOL)が使えなくなった】
これはRealtec社のNICを使っているユーザ限定のトラブルかも知れないが、Windows10にアップグレードしてからWOLが使えなくなった。最初は「たまにはこういうこともあるだろう」と軽く考えていたが、何度WOLを試してもPCが起動してこない。

で、ググって見ると一発で原因が判明した。Windows10が標準でインストールするRealtecのNIC用ドライバーにどうやら不具合があるらしいとのこと。Windows8.1用、もしくはWindows10用のドライバをメーカーのサイトからダウンロードして入れ替えてやることで解決したという情報があったので早速Windows10用のドライバをインストールしてみると、先程までの状態が嘘みたいにWOLが復活した。ぶっちゃけ、今日が休日だったのと、自宅に居る時でもPCの電源投入はWOLで行っていたのですぐに異常が判明したが、もし気づかないまま外出先で自宅PCにアクセスする必要が生じていたらアウトだったと思うと、この時点でトラブルを潰せたのは運が良かったと思う。


【トラブルではないが、ちょっとがっかりしたこと】
これはWindows8かららしいが、「サインイン」「サインアウト」「シャットダウン」の際のサウンドが鳴らないようになってしまった。色々調べてみて、レジストリを変更するとコントロールパネルのイベント音設定項目に「ログオン時」等を表示させる(&サウンドを設定して「テスト」で音を鳴らす)事はできる(ネット情報では、これでちゃんと音が出るようになったとの話もある)のだが、実際には音が鳴らない。何でわざわざこれらを使えなくしたのかは分からないが、サインアウトはともかく、サインインとシャットダウンの音が鳴らないのは個人的には少し不便を感じる。これが「システム的に出来なくなった」のか「設定で機能を無効にしているのか」分からないが、時間のある時に調べてみようと思う。


他にも、細々としたトラブルはあったものの、何とかPC2台のアップグレードが無事に(?)終了した。ほぼ丸一日かかったので、やはり連休に実施したのは正解だったと思っている。

最後に、Windows10を少し使ってみての感想を。

起動や動作はWindows7と遜色ないと言っても過言ではないほどサクサクと動いている。インタフェースもWindows7に比較的近いので、それほど操作方法で迷うことは少ない。「Quick Launch」も使えるので、これまでと使い勝手はさほど変わらない。あと、これは個体差もあるので保証の限りではないが、Office2003とかVB6で作ったプログラムのような古いアプリケーションやプログラムも比較的動作している。

今のところの感触としては、新しいOSだけに挙動の怪しい部分が多少あるものの、思っていたよりは「良いOS」なんじゃないかと思う。そういう意味では、マイクロソフトは強引な「強制アップグレード」とか、余計な事はやらない方が良かったのに。Windows10はあれでかなり反感を買った(≒評価を落とした)と思うし、しなくてもいい「損」をしたんじゃないかな。

おしまい。